法令

予防規程の定義を整理する

消防法第14条の2第1項に基づき、予防規程の定義を整理します。

読了 5分 中級
  • #予防規程
  • #危険物保安監督者

今回は5つの記述から正しいものを選ぶ設問を題材に、予防規程の定義を整理します。予防規程を定めるべき対象施設については予防規程を定めなければならない製造所等を整理するもあわせてご覧ください。

例題

予防規定について、次のうち正しいものはどれか。

  1. 製造所等における、位置・構造・設備の点検項目について定めた規定を言う。
  2. 製造所等における、貯蔵し、取り扱う危険物の数量について定めた規定をいう。
  3. 製造所等における、危険物取扱者の遵守事項を定めた規定をいう。
  4. 製造所等の火災を予防するため、危険物の保安に関し必要な事項を定めた事項をいう。
  5. 製造所等の労働災害を予防するための安全管理指針を定めた規定をいう。

正解は (4) です。

予防規程の根拠条文

予防規程は、消防法第14条の2第1項にこう定められています。

政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、総務省令で定めるところにより、当該製造所、貯蔵所又は取扱所の火災を予防するため、危険物の保安に関し必要な規程(以下「予防規程」という。)を定め、市町村長等の認可を受けなければならない。

つまり予防規程は、施設の火災予防のために必要な保安上のルールを、施設側が自ら定めて市町村長等の認可を受ける制度です。この条文の文言をそのまま述べているのが(4)です。

各選択肢の検討

選択肢内容判定
(1)位置・構造・設備の点検項目について定めた規定をいう✕ 誤り。点検は予防規程に定める項目の1つに過ぎず、予防規程全体の定義ではない
(2)貯蔵し、取り扱う危険物の数量について定めた規定をいう✕ 誤り。数量の定めは設置許可の申請事項であり、予防規程の定義ではない
(3)危険物取扱者の遵守事項を定めた規定をいう✕ 誤り。予防規程は施設全体の保安体制を対象とし、危険物取扱者個人の遵守事項に限定されない
(4)火災を予防するため、危険物の保安に関し必要な事項を定めた規程をいう○ 正しい。消防法第14条の2第1項の定義そのもの
(5)労働災害を予防するための安全管理指針を定めた規定をいう✕ 誤り。予防規程は消防法上の火災予防の制度であり、労働安全衛生法上の労働災害防止とは別の制度

予防規程に定める主な事項

予防規程の具体的な記載事項は、危険物の規制に関する規則第60条の2が定めています。主なものを挙げると次のとおりです。

  • 危険物の保安に関する業務を管理する者の職務及び組織に関すること
  • 危険物保安監督者が職務を行えない場合の代行者に関すること
  • 自衛の消防組織(化学消防自動車の設置等)に関すること
  • 危険物の保安に係る作業に従事する者への保安教育に関すること
  • 危険物の保安のための巡視、点検及び検査に関すること
  • 危険物施設の運転又は操作に関すること
  • 危険物の取扱い作業の基準に関すること
  • 補修等の方法に関すること

このように、予防規程は点検・作業基準・教育・組織体制など多岐にわたる保安上の取り決めをまとめた文書であり、(1)〜(3)や(5)のように一部の項目や別の制度に矮小化した説明は、いずれも定義として不正確です。

まとめ

予防規程は「当該施設の火災を予防するため、危険物の保安に関し必要な事項を定めた規程」というのが消防法上の定義です。点検・数量・取扱者の遵守事項・労働災害防止といった個別の論点は、予防規程に含まれる要素の一部、あるいは全く別の制度であり、それらだけを取り出して「予防規程の定義」とするのは誤りです。

参考文献