法令

屋外タンク貯蔵所の防油堤の設置対象を整理する

危険物の規制に関する規則第22条に基づき、防油堤の設置義務がどの範囲の屋外貯蔵タンクに及ぶかを整理します。

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今回は5つの記述から正しいものを選ぶ設問を題材に、屋外タンク貯蔵所における防油堤の設置対象を整理します。

例題

屋外タンク貯蔵所(岩盤タンクまたは特殊液体危険物タンクを除く)の基準で、当該タンクの周囲に防油堤を設けなければならないものとして、次のうち正しいものはどれか。

  1. 危険物を貯蔵するタンクは、全て設けなければならない
  2. 液体の危険物(二硫化炭素を除く)を貯蔵するタンクは、全て設けなければならない
  3. 第四類危険物を貯蔵するタンクに限り、設けなければならない
  4. 引火点を有する液体危険物を貯蔵するタンクに限り、設けなければならない
  5. 非水溶性の危険物を貯蔵するタンクに限り、設けなければならない

正解は (2) です。

根拠条文

屋外タンク貯蔵所への防油堤の設置義務は、危険物の規制に関する規則第22条第1項に定められています。

令第十一条第一項第十五号(…)の規定により、液体の危険物(二硫化炭素を除く。)の屋外貯蔵タンクの周囲には、防油堤を設けなければならない。

条文が定める防油堤の設置対象は、液体の危険物全般であり、第4類に限定されず、引火点の有無や水溶性・非水溶性の別も問いません。ただし二硫化炭素だけは明示的に除外されています。

各選択肢の検討

選択肢内容判定
(1)危険物を貯蔵するタンクは、全て設けなければならない✕ 誤り。対象は液体の危険物に限られ、二硫化炭素は除外される
(2)液体の危険物(二硫化炭素を除く)を貯蔵するタンクは、全て設けなければならない○ 正しい(規則第22条第1項)
(3)第四類危険物を貯蔵するタンクに限り、設けなければならない✕ 誤り。第4類に限らず、液体の危険物であれば類を問わず対象になる(例:第6類の酸化性液体)
(4)引火点を有する液体危険物を貯蔵するタンクに限り、設けなければならない✕ 誤り。引火点を持たない液体危険物(酸化性液体等)も対象になる
(5)非水溶性の危険物を貯蔵するタンクに限り、設けなければならない✕ 誤り。水溶性かどうかは設置義務の有無に関係しない

なぜ二硫化炭素だけ除外されるのか

二硫化炭素は、比重が水より大きく(約1.26)、かつ水にほとんど溶けないという性質を利用して、水中に沈めて貯蔵するという特殊な取扱いがされる物質です。液面が水で覆われているため、そもそも防油堤を必要とする「タンクからの漏えい・流出拡散を防ぐ」という目的が別の方法(水没)で達成されており、防油堤の設置対象から除外されています。

まとめ

屋外タンク貯蔵所の防油堤は、「液体の危険物であれば、類別・引火点の有無・水溶性の別を問わず設置が必要」で、唯一の例外が二硫化炭素(水没貯蔵のため不要)という構造で押さえておきましょう。「第4類のみ」「引火点があるものだけ」「非水溶性だけ」といった限定は、いずれも防油堤の対象を不必要に狭めた誤りです。

参考文献