法令

屋外貯蔵所に貯蔵できる危険物の見分け方

貯蔵所の中で唯一、扱える危険物の種類が制限される屋外貯蔵所。条文の条件を1つずつ照らし合わせて判定する方法を整理します。

読了 6分 中級
  • #屋外貯蔵所
  • #引火点
  • #第一石油類

貯蔵所にはいくつかの種類がありますが、その中で屋外貯蔵所だけは、扱える危険物の種類そのものに制限があります。今回は、ある危険物が屋外貯蔵所に置けるかどうかを、条文の条件と照らし合わせて1つずつ判定する方法を確認します。

例題

次のうち、屋外貯蔵所で貯蔵できる危険物はいくつあるか。

硫黄、引火性固体(引火点21℃未満のもの)、ガソリン、メチルアルコール、灯油、重油、ギヤー油、あまに油

  1. 3つ
  2. 4つ
  3. 5つ
  4. 6つ
  5. 7つ

正解は (4) です。

根拠条文

危険物の規制に関する政令第2条第7号は、屋外貯蔵所で貯蔵・取扱いができる危険物を次のように限定しています。

屋外の場所において第二類の危険物のうち硫黄、硫黄のみを含有するもの若しくは引火性固体(引火点が零度以上のものに限る。)又は第四類の危険物のうち第一石油類(引火点が零度以上のものに限る。)、アルコール類、第二石油類、第三石油類、第四石油類若しくは動植物油類を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所

屋外貯蔵所は、タンクを使わず屋外の露天で容器のまま危険物を貯蔵する施設です。屋根や壁がなく可燃性蒸気が拡散しやすいため、常温でも引火しやすい(=引火点が低い)危険物は対象から外され、貯蔵できる危険物の種類が絞り込まれています。

判定の手順

条文を分解すると、次の2つのグループに分かれます。

  • 引火点の条件がつくもの:第2類の引火性固体、第4類の第一石油類 → いずれも「引火点0℃以上」の場合に限る
  • 引火点の条件がつかないもの:第2類の硫黄、第4類のアルコール類・第二石油類・第三石油類・第四石油類・動植物油類 → 無条件で貯蔵可能

つまり判定の手順は次の2ステップです。

  1. その危険物が上記のいずれかの分類に該当するか確認する(該当しなければその時点で対象外)
  2. 該当する分類が「引火性固体」または「第一石油類」であれば、さらに引火点が0℃以上かどうかを確認する

各物品の判定

物品分類引火点条件との整合可否
硫黄第2類・硫黄条件なし(無条件で対象)○
引火性固体(引火点21℃未満)第2類・引火性固体「0℃以上」が必要だが、21℃未満には0℃未満のものも含まれ得るため確定できない✕
ガソリン第4類・第一石油類引火点約-40℃で「0℃以上」を満たさない✕
メチルアルコール第4類・アルコール類条件なし(無条件で対象)○
灯油第4類・第二石油類条件なし(無条件で対象)○
重油第4類・第三石油類条件なし(無条件で対象)○
ギヤー油第4類・第四石油類条件なし(無条件で対象)○
あまに油第4類・動植物油類条件なし(無条件で対象)○

引っかけポイント

この問題には2つのひっかけが仕込まれています。

  1. 引火性固体(引火点21℃未満のもの):政令が要求するのは「引火点0℃以上」です。「21℃未満」という表現は0℃未満の場合も含み得るため、この条件だけでは屋外貯蔵所の要件を満たすと言い切れません。数値の範囲が一部重なっているように見えても、要求される条件(0℃以上)を確実に満たすとは限らない点に注意しましょう。
  2. ガソリン:第4類・第一石油類ですが、引火点は約-40℃と大きくマイナスのため、「0℃以上」の条件を満たさず対象外です。

一方、メチルアルコール(アルコール類)・灯油(第二石油類)・重油(第三石油類)・ギヤー油(第四石油類)・あまに油(動植物油類)には引火点の条件そのものがついていないため、無条件で貯蔵できます。硫黄も同様に無条件です。

まとめ

判定の急所は「その危険物が引火性固体または第一石油類に当たるかどうか」です。当たらなければ無条件でOK、当たる場合だけ引火点0℃以上という追加条件を確認する必要があります。この2ステップを踏めば、危険物が何個並んでいても1つずつ機械的に判定できます。今回の例では、硫黄・メチルアルコール・灯油・重油・ギヤー油・あまに油の6つが該当し、正解は (4) となります。

参考文献