キシレンの性状を整理する
キシレンの異性体・引火点・発火点・燃焼範囲・比重・溶解性など、乙4試験で問われる性状を整理します。
キシレンはトルエン・ベンゼンと並ぶ代表的な芳香族炭化水素で、性状を問う設問が頻出します。今回は5つの記述から誤っているものを選ぶ設問を題材に、キシレンの性状を整理します。
例題
キシレンの性質として、次のうち誤っているものはどれか
- 蒸気は空気より軽い
- 消化には、泡、二酸化炭素による窒息消化が適している
- 無色透明な揮発性を有する液体である
- 水に溶けないが、アルコール、エーテルには溶ける
- 比重は1より小さいので、水より軽い
正解は (1) です。キシレンの蒸気は空気より重いです。
キシレンの一般的性状
キシレン(C₈H₁₀)は、第4類危険物の第2石油類(非水溶性)に分類される芳香族炭化水素です。オルト・メタ・パラの3種類の異性体があり、市販品はこれらの混合物であることが多い物質です。溶剤や塗料、合成繊維の原料など、工業的に広く使われています。
| 項目 | 性状 |
|---|---|
| 異性体 | オルト・メタ・パラの3種類があり、混合物として流通することが多い |
| 外観 | 無色透明の揮発性液体 |
| 臭気 | 特有の芳香族臭がある |
| 引火点 | 約27〜33℃ |
| 発火点 | 約480℃ |
| 燃焼範囲 | 約1.0〜7.0% |
| 液比重 | 約0.86〜0.88(水より軽い) |
| 蒸気比重 | 約3.7(空気より重い) |
| 水への溶解性 | 溶けないが、アルコール・エーテルには溶ける |
| 適応消火剤 | 泡、二酸化炭素、粉末による窒息消火 |
| 主な用途 | 溶剤、塗料、印刷インキ、合成繊維(ポリエステル)の原料 |
各選択肢の検討
| 選択肢 | 内容 | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 蒸気は空気より軽い | ✕ 誤り。分子量が空気より大きいため、蒸気は空気より重い |
| (2) | 消火には、泡、二酸化炭素による窒息消火が適している | ○ 正しい |
| (3) | 無色透明な揮発性を有する液体である | ○ 正しい |
| (4) | 水に溶けないが、アルコール、エーテルには溶ける | ○ 正しい |
| (5) | 比重は1より小さいので、水より軽い | ○ 正しい |
なぜ(1)が誤りか
蒸気の重さは、その物質の分子量と空気の平均分子量(約29)を比較することで判断できます。キシレンの分子量は約106であり、空気よりもかなり大きいため、蒸気比重は1を大きく上回り(約3.7)、空気より重くなります。第4類危険物の多くは、キシレンと同様に蒸気が空気より重く、床など低い場所に滞留しやすいという共通の性質を持ちます。
まとめ
キシレンは、無色透明の揮発性液体で特有の芳香族臭を持ち、水には溶けずアルコール・エーテルには溶けるという性状を持ちます。引火点は27〜33℃程度と比較的低く、火気厳禁の扱いが必要です。液比重は水より軽く、蒸気比重は空気より重いという性質もあわせて押さえておきましょう。