性質・消火

動植物油類の性状とヨウ素価による分類を整理する

動植物油類の引火点の定義や、ヨウ素価による乾性油・不乾性油の分類、自然発火のしやすさを整理します。

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  • #動植物油類
  • #ヨウ素価
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動植物油類は、法令上の定義そのものに引火点の数値が組み込まれている点が特徴です。今回は5つの記述から誤っているものを選ぶ設問を題材に、動植物油類の性状を整理します。

例題

次の動植物油類に関する説明のうち、誤っているものはどれか。

  1. 水に溶けない
  2. 引火点以上に熱するとガソリンと同様の危険が生じる
  3. 引火点は300℃程度である。
  4. 不飽和脂肪酸が多いほど、ヨウ素価も大きい。
  5. 乾性油の方が不乾性油よりも自然発火しやすい

正解は (3) です。動植物油類は、法令上引火点250℃未満のものと定義されています。

動植物油類の定義(消防法別表第一備考)

動植物油類とは、動物の脂肉等又は植物の種子若しくは果肉から抽出したものであつて、1気圧において引火点が250度未満のものをいい、総務省令で定めるところにより貯蔵保管されているものを除く。

つまり「引火点250℃未満」であることが動植物油類の定義そのものであり、(3)の「300℃程度」はこの定義の範囲を超えた誤った数値です。

各選択肢の検討

選択肢内容判定
(1)水に溶けない○ 正しい(非水溶性)
(2)引火点以上に熱するとガソリンと同様の危険が生じる○ 正しい。液温が引火点以上になれば、他の第4類危険物と同様に引火の危険が生じる
(3)引火点は300℃程度である✕ 誤り。法令上、動植物油類は引火点250℃未満のものと定義されている
(4)不飽和脂肪酸が多いほど、ヨウ素価も大きい○ 正しい。ヨウ素価は不飽和度(二重結合の数)を示す指標
(5)乾性油の方が不乾性油よりも自然発火しやすい○ 正しい。乾性油はヨウ素価が高く酸化されやすい

なぜ(3)が誤りか

動植物油類は、第四石油類(引火点200℃以上)と混同されやすい品目ですが、法令上の定義そのものに「引火点250度未満」という上限が明記されています。もし引火点が250℃以上であれば、そもそも動植物油類には分類されません。「300℃程度」という数値は、この定義上の上限(250℃未満)を超えており、動植物油類の性状として成立しません。

乾性油・不乾性油とヨウ素価の関係

動植物油類は、空気中で酸化・重合して固化しやすいかどうかによって分類されます。

分類ヨウ素価自然発火のしやすさ代表例
乾性油130以上自然発火しやすいあまに油、桐油
半乾性油100〜130中程度綿実油、なたね油
不乾性油100以下自然発火しにくいオリーブ油、やし油

ヨウ素価は、油脂分子中の不飽和脂肪酸(二重結合)の量を示す指標で、不飽和脂肪酸が多いほど酸素と反応しやすく、酸化熱がこもって自然発火するリスクが高まります。そのため、ヨウ素価の高い乾性油ほど、しみ込んだ布などが自然発火する事故が起こりやすいとされています。

まとめ

動植物油類は「引火点250℃未満」という法令上の定義を持ち、水に溶けない・引火点以上で他の第4類同様の危険が生じるといった一般的性状に加え、ヨウ素価によって乾性油(自然発火しやすい)・不乾性油(しにくい)に分類される点が特徴です。「引火点300℃程度」のように定義の上限を超える数値には注意しましょう。

参考文献