法令

運搬容器の外部表示事項を整理する

危険物の規制に関する規則第44条に基づき、運搬容器の外部に表示すべき事項と、表示事項に含まれないものを整理します。

読了 6分 中級
  • #運搬
  • #運搬容器
  • #危険等級

運搬容器の外部表示は「品名」「数量」「注意事項」のように、施設の掲示板や消火設備の基準と混同しやすい項目が並びます。今回は5つの記述から定められていないものを選ぶ設問を題材に、表示事項を整理します。

例題

危険物を運搬する場合、運搬容器の外部に行う表示の項目として、定められていないものは次のうちどれか。

  1. 危険物の数量
  2. 第4類の危険物のうち、水溶性の性状を有するものにあっては「水溶性」
  3. 収納する危険物に応じた注意事項
  4. 収納する危険物に応じた消火方法
  5. 危険物の品名、危険等級及び化学名

正解は (4) です。

根拠条文

運搬容器の外部への表示事項は、危険物の規制に関する政令第29条第2号の委任を受けて、危険物の規制に関する規則第44条第1項が具体的に定めています。

令第二十九条第二号の規定により、運搬容器の外部に行う表示は、次のとおりとする。

一 危険物の品名、危険等級及び化学名並びに第四類の危険物のうち水溶性の性状を有するものにあつては「水溶性」

二 危険物の数量

三 収納する危険物に応じ、次に掲げる注意事項(例:第4類の危険物にあつては「火気厳禁」、第1類のアルカリ金属の過酸化物等にあつては「火気・衝撃注意」「可燃物接触注意」「禁水」など)

条文が定める表示事項は、品名・危険等級・化学名等、数量、注意事項の3項目のみであり、「消火方法」を表示させる規定はどこにもありません。

各選択肢の検討

選択肢内容判定
(1)危険物の数量○ 定められている(規則第44条第1項第2号)
(2)第4類の危険物のうち、水溶性の性状を有するものにあっては「水溶性」○ 定められている(規則第44条第1項第1号)
(3)収納する危険物に応じた注意事項○ 定められている(規則第44条第1項第3号)
(4)収納する危険物に応じた消火方法✕ 定められていない
(5)危険物の品名、危険等級及び化学名○ 定められている(規則第44条第1項第1号)

なぜ(4)が定められていないか

「消火方法」は製造所等の掲示板や、施設に設置する消火設備の選定など、施設側で扱われる情報です。これに対し、運搬容器の表示制度が求めているのは、事故発生時に周囲の人・消防が容器の中身と取扱い上の注意を即座に把握できること(何が入っているか、どれだけあるか、何に注意すべきか)であり、消火方法そのものまでは運搬容器の表示事項に含まれていません。

火災発生時の消火方法は、危険物の類別・品名から専門知識で判断すべき事項であるため、容器表示は「注意事項(火気厳禁・禁水など)」までにとどめ、消火方法の決定は消防隊等の対応に委ねる、という制度設計になっています。

運搬容器の外部表示事項まとめ

表示事項内容
品名・危険等級・化学名第4類で水溶性の性状を有するものは「水溶性」も表示
数量収納した危険物の数量
注意事項類別・性質に応じた注意事項(例:第4類は「火気厳禁」、禁水性物品は「禁水」など)

まとめ

運搬容器の外部表示は「品名・危険等級・化学名(+水溶性表示)」「数量」「注意事項」の3点に限定されており、消火方法は表示事項に含まれません。

参考文献