法令

定期点検が必要な施設・不要な施設を表で覚える

屋内タンク貯蔵所や簡易タンク貯蔵所は、実は定期点検の対象外。危険物の規制に関する政令 第7条の3・第8条の5をもとに、対象施設と対象外施設を表で整理します。

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定期点検の対象施設は「指定数量の倍数がいくつ以上か」という条件と、「地下タンク・移動タンクかどうか」という条件が組み合わさっていて、混同しやすい分野です。今回は施設名を並べて対象・対象外を判定させる問題を題材に、表で一気に整理します。

例題

次のうち、定期点検を義務付けられていない製造所等はいくつあるか。

屋内タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所、簡易タンク貯蔵所、地下タンクを有する製造所、地下タンクを有する給油取扱所、第二種販売取扱所

  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 4つ
  5. 5つ

正解は (3) 3つ です。

定期点検の根拠となる条文

定期点検の対象施設は、危険物の規制に関する政令の2つの条文の組み合わせで決まります。

  • 第7条の3:指定数量の倍数による基準
  • 第8条の5:地下タンク・移動タンクによる基準

この2つの条文に名前が登場する施設だけが定期点検の対象です。逆に言えば、どちらにも登場しない施設は指定数量の倍数にかかわらず対象外になります。全13施設区分を一覧にすると、次のようになります。

区分施設施設の概要定期点検の対象条件
製造所製造所危険物を製造する施設指定数量の倍数が10以上、または地下タンクを有する施設
貯蔵所屋内貯蔵所屋内の場所において危険物を貯蔵し、または取り扱う施設指定数量の倍数が150以上
屋外タンク貯蔵所屋外にあるタンク(地下・簡易・移動タンクを除く)において危険物を貯蔵し、または取り扱う施設指定数量の倍数が200以上
屋内タンク貯蔵所屋内にあるタンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う施設── (対象外)
地下タンク貯蔵所地盤面下に埋没されているタンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う施設全部が対象
簡易タンク貯蔵所簡易タンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う施設── (対象外)
移動タンク貯蔵所車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、または取り扱う施設全部が対象
屋外貯蔵所屋外の場所において危険物を貯蔵し、または取り扱う施設指定数量の倍数が100以上
取扱所給油取扱所固定した給油設備によって自動車等の燃料タンクに直接給油するための施設地下タンクを有する施設
第1種販売取扱所店舗で容器入りのまま販売する取扱所(指定数量の倍数15以下)── (対象外)
第2種販売取扱所店舗で容器入りのまま販売する取扱所(指定数量の倍数15超40以下)── (対象外)
移送取扱所配管及びポンプ等によって危険物の移送の取扱いを行う施設全部が対象(総務省令で定める一部除外あり)
一般取扱所給油取扱所・販売取扱所・移送取扱所以外で危険物の取扱いをする施設指定数量の倍数が10以上、または地下タンクを有する施設

表中の「── (対象外)」となっている屋内タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・第1種/第2種販売取扱所の4施設は、指定数量の倍数がどれだけ大きくても定期点検の対象にはなりません。

例題の判定

上の表に例題の6施設を照らし合わせると、屋内タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・第二種販売取扱所が「── (対象外)」に該当し、残る移動タンク貯蔵所・地下タンクを有する製造所・地下タンクを有する給油取扱所は対象です。

対象外は3つ。よって正解は (3) 3つ です。

覚え方のポイント

  • 「屋内タンク貯蔵所」と「屋内貯蔵所」を混同しない。 屋内貯蔵所は指定数量の倍数150以上で対象になりますが、屋内タンク貯蔵所は条文にそもそも登場せず、常に対象外です。似た名前ですが別の施設として覚えましょう。
  • 「小規模・低リスクな施設は対象外」という発想でも整理できます。 簡易タンク貯蔵所(容量が小さい)と販売取扱所(第一種・第二種とも、小売店的な施設)は、規模が小さいため定期点検の枠組みそのものに含まれていません。
  • 移動タンク貯蔵所と地下タンクを有する施設は、規模を問わず一律に対象になる点が特徴です。タンクローリーや地下タンクは劣化が外から見えにくく漏えいリスクが高いため、指定数量の倍数によらず点検が義務付けられています。

まとめ: 定期点検の対象は「第7条の3(倍数基準)」と「第8条の5(地下タンク・移動タンク基準)」に名前が挙がっている施設だけです。屋内タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・販売取扱所(第一種・第二種)はどちらにも登場しない「対象外の代表格」として、まとめて覚えておきましょう。

参考文献