貯蔵タンクの種類ごとの容量規定を整理する
危険物の規制に関する政令に基づき、屋外・屋内・移動・簡易タンク貯蔵所、給油取扱所の専用タンクなど、タンクの種類ごとの容量規定を整理します。
貯蔵タンクの容量規定は、タンクの種類によって「上限なし」「指定数量の倍数」「固定の数値」とバラバラです。今回は5つの記述から誤っているものを選ぶ設問を題材に、タンクの種類ごとの容量規定を整理します。
例題
製造所等の貯蔵タンクの最大容量として、次のうち誤っているものはどれか。
- 屋外タンク貯蔵所の屋外貯蔵タンクの容量の規定はない
- 屋内タンク貯蔵所の屋内貯蔵タンクの容量は指定数量の40倍以下、ただし、第4類危険物(第4石油類と動植物油類を除く)については20000L以下である。
- 移動タンク貯蔵所の移動貯蔵タンクの容量は30000L以下である
- 簡易タンク貯蔵所の簡易貯蔵タンク1基の容量は6000L以下である。
- 給油取扱所の専用タンクの容量の規定はない。
正解は (4) です。正しくは600L以下です。
各タンクの容量規定
| タンクの種類 | 容量の上限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 屋外貯蔵タンク(屋外タンク貯蔵所) | 規定なし | 政令第11条(容量に関する規定なし) |
| 屋内貯蔵タンク(屋内タンク貯蔵所) | 指定数量の40倍以下(第四石油類・動植物油類以外の第4類は2万L以下) | 政令第12条第1項第4号 |
| 移動貯蔵タンク(移動タンク貯蔵所) | 3万リットル以下(4千L以下ごとに間仕切り) | 政令第15条第1項第3号 |
| 簡易貯蔵タンク(簡易タンク貯蔵所) | 600リットル以下 | 政令第14条第1項第5号 |
| 専用タンク(給油取扱所) | 規定なし | 政令第17条(容量に関する規定なし) |
各選択肢の検討
| 選択肢 | 内容 | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 屋外タンク貯蔵所の屋外貯蔵タンクの容量の規定はない | ○ 正しい |
| (2) | 屋内タンク貯蔵所の屋内貯蔵タンクの容量は指定数量の40倍以下、ただし第4類危険物(第4石油類と動植物油類を除く)については20000L以下 | ○ 正しい(政令第12条第1項第4号) |
| (3) | 移動タンク貯蔵所の移動貯蔵タンクの容量は30000L以下である | ○ 正しい(政令第15条第1項第3号) |
| (4) | 簡易タンク貯蔵所の簡易貯蔵タンク1基の容量は6000L以下である | ✕ 誤り。正しくは600L以下(政令第14条第1項第5号) |
| (5) | 給油取扱所の専用タンクの容量の規定はない | ○ 正しい |
なぜ(4)が誤りか
簡易タンク貯蔵所は、その名のとおり簡易的・小規模な貯蔵形態であり、政令第14条第1項第5号は「簡易貯蔵タンクの容量は、600リットル以下であること」と定めています。あわせて、1施設につき設置できる簡易貯蔵タンクは3基以内、同一品質の危険物は2基以上不可という基数の制限もあります。
なぜ屋外貯蔵タンクと専用タンクには容量規定がないのか
屋外タンク貯蔵所の屋外貯蔵タンクは、大規模な石油コンビナート等でも使用される施設であり、用途に応じて数百〜数万キロリットル規模までさまざまです。そのため一律の容量上限を設けず、代わりに指定数量の倍数に応じた保安距離・保有空地・避雷設備などの基準で安全性を確保する仕組みになっています。給油取扱所の専用タンクも同様に、地下タンクとしての構造基準(地下タンク貯蔵所の例による)で安全性を担保しており、容量そのものの上限は定められていません。
まとめ
貯蔵タンクの容量規定は、屋外貯蔵タンクと給油取扱所の専用タンクには上限規定がなく、屋内貯蔵タンクは指定数量の倍数(40倍、一部2万L上限)、移動貯蔵タンクは3万L以下、簡易貯蔵タンクは600L以下という、施設ごとに大きく異なる数値で整理できます。
参考文献
- 危険物の規制に関する政令 | e-Gov法令検索(第11条、第12条第1項第4号、第14条第1項第5号、第15条第1項第3号、第17条)