法令

製造所等の設置から使用開始までの手続きの順序を整理する

消防法第11条に基づき、設置許可申請から使用開始までの正しい手続きの順序を整理します。

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製造所等を設置してから使用を始めるまでの手続きには、法令上動かせない順序が2か所あります。今回は5つの順序から正しいものを選ぶ設問を題材に、設置から使用開始までの流れを整理します。

例題

屋内貯蔵所を設置し、使用するまでの順序として次のうち正しいものはどれか。

  1. 設置許可申請 → 許可 → 着工 → 完成 → 使用開始
  2. 設置許可申請 → 着工 → 許可 → 完成 → 完成検査申請 → 完成検査 → 使用開始
  3. 設置許可申請 → 着工 → 許可 → 完成検査申請 → 完成 → 完成検査 → 完成検査済証交付 → 使用開始
  4. 設置許可申請 → 許可 → 着工 → 完成 → 完成検査申請 → 完成検査 → 完成検査済証交付 → 使用開始
  5. 設置許可申請 → 許可 → 着工 → 完成検査申請 → 完成 → 完成検査 → 使用開始 → 完成検査済証交付

正解は (4) です。

各段階の根拠条文

設置許可申請・許可(消防法第11条第1項)

製造所、貯蔵所又は取扱所を設置しようとする者は、(…)当該各号に定める者の許可を受けなければならない。

まず市町村長等に設置許可を申請し、許可を受けなければ、工事(着工)を始めることはできません。無許可で着工することは認められていません。

着工・完成

許可を受けた後、初めて着工(工事の開始)が可能になります。工事が終われば完成です。

完成検査申請・完成検査(消防法第11条第5項)

第一項の規定による許可を受けた者は、製造所、貯蔵所若しくは取扱所を設置したとき(…)は、当該製造所、貯蔵所又は取扱所につき市町村長等が行う完成検査を受け、これらが前条第四項の技術上の基準に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。

工事が完成した後、完成検査を申請し、市町村長等による完成検査を受けます。

完成検査済証交付・使用開始

完成検査に合格すると完成検査済証が交付されます。条文が明記するとおり、完成検査を受けて基準に適合していると認められた後でなければ使用してはならないため、使用開始は完成検査済証の交付(検査合格)の後になります。

各選択肢の検討

選択肢順序判定
(1)申請→許可→着工→完成→使用開始✕ 誤り。完成検査の工程が丸ごと抜けている
(2)申請→着工→許可→完成→検査申請→検査→使用開始✕ 誤り。許可を受ける前に着工しており、順序が逆
(3)申請→着工→許可→検査申請→完成→検査→検査済証交付→使用開始✕ 誤り。許可を受ける前に着工している
(4)申請→許可→着工→完成→検査申請→検査→検査済証交付→使用開始○ 正しい
(5)申請→許可→着工→検査申請→完成→検査→使用開始→検査済証交付✕ 誤り。検査済証交付より前に使用を開始しており、完成検査に合格する前に使用してはならないという規定に反する

なぜ(4)が正しいか

この一連の手続きには、法令上動かせない2つの絶対的な順序があります。

  1. 許可を受けてからでなければ着工できない(無許可着工の禁止)
  2. 完成検査に合格し、検査済証が交付されてからでなければ使用できない(未検査使用の禁止)

(2)(3)は1つ目の順序(許可→着工)が逆になっており、(5)は2つ目の順序(検査済証交付→使用開始)が逆になっています。(1)はそもそも完成検査という重要な工程が抜け落ちています。これらすべての条件を満たしているのは(4)だけです。

まとめ

製造所等の設置から使用開始までの流れは、「許可なくして着工なし、検査なくして使用なし」という2つの原則で整理できます。設置許可申請→許可→着工→完成→完成検査申請→完成検査→完成検査済証交付→使用開始という一連の流れを、この2つの原則とあわせて押さえておきましょう。

参考文献