製造所等の区分の定義を整理する
危険物の規制に関する政令第2条・第3条に基づき、屋内貯蔵所・屋外貯蔵所・製造所・販売取扱所・給油取扱所などの定義を整理します。
製造所等の区分は、名称が似た施設(屋内貯蔵所と屋内タンク貯蔵所、製造所と一般取扱所、給油取扱所と販売取扱所)を入れ替えたひっかけが作られやすい分野です。今回は5つの記述から正しいものを選ぶ設問を題材に、製造所等の区分の定義を整理します。
例題
製造所等の区分について、次のうち正しいものはどれか。
- 屋外の場所において、第1類危険物、第2石油類・第3石油類・第4石油類もしくは動植物油類を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所を、屋外貯蔵所という。
- 屋内にあるタンクで危険物を貯蔵し、または取り扱う貯蔵所を、屋内貯蔵所という。
- ボイラーで重油等を消費する施設を、製造所という。
- 店舗において容器入りのままで販売するため、指定数量の倍数15以下の危険物を取り扱う施設を、第1種販売取扱所という。
- 金属製ドラム等に直接給油するためにガソリンを取り扱う施設を給油取扱所という。
正解は (4) です。
根拠条文
製造所等の区分は、危険物の規制に関する政令第2条(貯蔵所の区分)・第3条(取扱所の区分)に定められています。
店舗において容器入りのままで販売するため危険物を取り扱う取扱所で次に掲げるもの イ 指定数量の倍数が15以下のもの(以下「第一種販売取扱所」という。) ロ 指定数量の倍数が15を超え40以下のもの(以下「第二種販売取扱所」という。)(政令第3条第2号)
(4)はこの条文どおりの記述であり、正しい選択肢です。
製造所等の区分一覧
政令第2条・第3条が定める製造所等の区分をまとめると、次のとおりです。
| 区分 | 名称 | 定義の要点 |
|---|---|---|
| 製造所 | 製造所 | 危険物を製造するための施設 |
| 貯蔵所 | 屋内貯蔵所 | 屋内の場所において危険物を貯蔵し、又は取り扱う施設 |
| 屋外タンク貯蔵所 | 屋外にあるタンク(地下・簡易・移動タンクを除く)において危険物を貯蔵し、又は取り扱う施設 | |
| 屋内タンク貯蔵所 | 屋内にあるタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取り扱う施設 | |
| 地下タンク貯蔵所 | 地盤面下に埋没されているタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取り扱う施設 | |
| 簡易タンク貯蔵所 | 簡易タンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取り扱う施設 | |
| 移動タンク貯蔵所 | 車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取り扱う施設 | |
| 屋外貯蔵所 | 屋外の場所において、第2類の硫黄・硫黄のみを含有するもの・引火性固体(引火点0℃以上)又は第4類の第一石油類(引火点0℃以上)・アルコール類・第二〜第四石油類・動植物油類を貯蔵し、又は取り扱う施設 | |
| 取扱所 | 給油取扱所 | 専ら固定した給油設備によって自動車等の燃料タンクに直接給油するための施設 |
| 第一種販売取扱所 | 店舗で容器入りのまま販売する取扱所(指定数量の倍数15以下) | |
| 第二種販売取扱所 | 店舗で容器入りのまま販売する取扱所(指定数量の倍数15超40以下) | |
| 移送取扱所 | 配管及びポンプ等によって危険物の移送の取扱いを行う施設 | |
| 一般取扱所 | 給油取扱所・販売取扱所・移送取扱所以外で危険物の取扱いをする施設 |
各選択肢の検討
| 選択肢 | 内容 | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 屋外の場所において、第1類危険物、第2〜第4石油類もしくは動植物油類を貯蔵・取扱う貯蔵所を屋外貯蔵所という | ✕ 誤り。屋外貯蔵所の対象は「第1類」ではなく「第2類の硫黄・硫黄のみを含有するもの・引火性固体(引火点0℃以上)」であり、第4類側も第一石油類(引火点0℃以上)・アルコール類が抜けている |
| (2) | 屋内にあるタンクで危険物を貯蔵・取扱う貯蔵所を屋内貯蔵所という | ✕ 誤り。これは「屋内タンク貯蔵所」の定義。屋内貯蔵所は「屋内の場所において」危険物を貯蔵・取扱う貯蔵所(タンクに限らない) |
| (3) | ボイラーで重油等を消費する施設を製造所という | ✕ 誤り。危険物を消費するだけの施設は「一般取扱所」に分類される。製造所は危険物を製造するための施設 |
| (4) | 店舗において容器入りのままで販売するため、指定数量の倍数15以下の危険物を取り扱う施設を第1種販売取扱所という | ○ 正しい(政令第3条第2号イ) |
| (5) | 金属製ドラム等に直接給油するためにガソリンを取り扱う施設を給油取扱所という | ✕ 誤り。給油取扱所は「自動車等の燃料タンク」に直接給油するための施設。ドラム缶等の容器への詰替えは対象外 |
まとめ
製造所等の区分は、名称が似ていても対象(屋内の場所か屋内のタンクか)や用途(製造か消費か、自動車への給油かドラム缶への詰替えか)で明確に線引きされています。屋外貯蔵所の対象品目(第2類の硫黄等・第4類の一部)、屋内貯蔵所と屋内タンク貯蔵所の違い、製造所と一般取扱所の違い、給油取扱所と販売取扱所の違いをそれぞれ正確に区別しておきましょう。
参考文献
- 危険物の規制に関する政令 | e-Gov法令検索(第2条、第3条)