法令

危険物の性質と品名の組み合わせを見分ける

消防法別表第一に基づき、危険物の性質(酸化性固体・可燃性固体など)と品名の組み合わせを確認します。

読了 5分 中級
  • #品名
  • #別表第一

危険物の類ごとの「性質」と「品名」の組み合わせを問う設問では、常温での状態(固体・液体)から品名を推測すると誤ることがあります。今回は5つの組み合わせから誤っているものを選ぶ設問を題材に、性質と品名の対応を整理します。

例題

消防法別表に示されている危険物の性質と品名の組み合わせとして、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 酸化性固体・・・塩素酸塩類
  2. 可燃性固体・・・硫黄
  3. 自然発火性物質および禁水性物質・・・ナトリウム
  4. 引火性液体・・・アルキルアルミニウム
  5. 自己反応性物質・・・硝酸エステル類

正解は (4) です。

各選択肢の検討

選択肢性質品名判定
(1)酸化性固体塩素酸塩類○ 正しい(第1類)
(2)可燃性固体硫黄○ 正しい(第2類)
(3)自然発火性物質及び禁水性物質ナトリウム○ 正しい(第3類)
(4)引火性液体アルキルアルミニウム✕ 正しくは第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)
(5)自己反応性物質硝酸エステル類○ 正しい(第5類)

なぜ(4)が誤りか

アルキルアルミニウムは、消防法別表第一の第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)の品名三号に掲げられている物質です。第4類(引火性液体)には含まれません。

第三類 自然発火性物質及び禁水性物質 一 カリウム 二 ナトリウム 三 アルキルアルミニウム 四 アルキルリチウム 五 黄りん…(別表第一)

アルキルアルミニウムは空気に触れると自然発火し、水と接触すると激しく反応して発火・可燃性ガスを発生させる非常に危険な性質を持つため、「引火性液体」ではなく「自然発火性物質及び禁水性物質」に分類されています。名前に「アルミニウム」とあり金属を連想させますが、実際には有機金属化合物であり常温で液体のものが多く、この液体という状態から第4類(引火性液体)と混同されやすい点が、この設問のひっかけどころです。

類ごとの性質と代表的な品名

消防法別表第一は、類ごとに「性質」の名称と代表的な品名を次のように定めています。今回の選択肢に登場した品名は赤字で示しています。

類別性質状態代表的な品名
第1類酸化性固体固体塩素酸塩類、過塩素酸塩類、硝酸塩類など
第2類可燃性固体固体硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、マグネシウムなど
第3類自然発火性物質及び禁水性物質固体又は液体カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、黄りんなど
第4類引火性液体液体特殊引火物、第一石油類、アルコール類など
第5類自己反応性物質固体又は液体有機過酸化物、硝酸エステル類、ニトロ化合物など
第6類酸化性液体液体過塩素酸、過酸化水素、硝酸など

第3類と第5類は「固体又は液体」の両方を含む区分であるため、液体だからといって第4類とは限りません。特にアルキルアルミニウム・アルキルリチウムは常温で液体でありながら第3類に属する代表例として頻出です。

まとめ

危険物の類と品名の組み合わせを問う問題では、「液体だから第4類」といった状態だけでの判断は禁物です。アルキルアルミニウムのように、常温で液体でありながら第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)に分類される物質があることに注意しましょう。

参考文献