屋内貯蔵タンクの容量の上限を計算する
危険物の規制に関する政令第12条に基づき、平屋建てのタンク専用室に設置する屋内貯蔵タンクの容量の上限を、品目ごとに計算します。
屋内貯蔵タンクの容量の上限は「指定数量の40倍」が基本ですが、品目によっては別の上限が優先されます。今回は5つの品目の容量を検証する設問を題材に、上限の計算方法を整理します。
例題
平屋建てのタンク専用室に設置する屋内貯蔵タンクの最大容量として、誤っているものはどれか。
- 第1石油類の非水溶性液体・・・8000L
- 第1石油類の水溶性液体・・・16000L
- 第2石油類の非水溶性液体・・・40000L
- 第4石油類・・・240000L
- 動植物油類・・・400000L
正解は (3) です。正しい上限は20,000Lです。
根拠条文
平屋建てのタンク専用室に設置する屋内貯蔵タンク(通常の屋内タンク貯蔵所)の容量は、危険物の規制に関する政令第12条第1項第4号に定められています。
屋内貯蔵タンクの容量は、指定数量の40倍(第四石油類及び動植物油類以外の第四類の危険物にあつては、当該数量が2万リットルを超えるときは、2万リットル)以下であること。
つまり上限は次の2パターンに分かれます。
- 第四石油類・動植物油類:指定数量の40倍がそのまま上限(2万Lの上限なし)
- それ以外の第四類危険物(第一石油類・アルコール類・第二石油類・第三石油類など):指定数量の40倍と2万Lのいずれか小さい方が上限
各選択肢の計算
| 選択肢 | 品目(指定数量) | 指定数量の40倍 | 2万Lの上限 | 実際の上限 | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| (1) | 第1石油類・非水溶性(200L) | 8,000L | 適用される | 8,000L | ○ 正しい |
| (2) | 第1石油類・水溶性(400L) | 16,000L | 適用される | 16,000L | ○ 正しい |
| (3) | 第2石油類・非水溶性(1,000L) | 40,000L | 適用される→2万Lで頭打ち | 20,000L | ✕ 誤り。40,000Lではなく20,000L |
| (4) | 第4石油類(6,000L) | 240,000L | 適用除外 | 240,000L | ○ 正しい |
| (5) | 動植物油類(10,000L) | 400,000L | 適用除外 | 400,000L | ○ 正しい |
なぜ(3)が誤りか
第2石油類(灯油・軽油など)は「第四石油類及び動植物油類」には該当しないため、2万Lの上限規定が適用されます。指定数量1,000Lの40倍は40,000Lですが、これは2万Lを超えているため、実際の上限は2万Lに引き下げられます。(3)はこの2万Lの上限を無視して単純に40倍の数値(40,000L)を答えており、誤りです。
一方、(1)(2)の第1石油類は、40倍の数値(8,000L・16,000L)がもともと2万Lを下回っているため、上限規定によって数値が変わらず、そのまま正しい値になっています。
まとめ
屋内貯蔵タンクの容量の上限は、「指定数量の40倍」と「2万L」を比較し、小さい方を採用するのが原則です。ただし第四石油類・動植物油類だけはこの2万Lの上限が適用除外され、単純に40倍がそのまま上限になります。指定数量が比較的大きい第二石油類・第三石油類では、40倍の値が2万Lを超えるケースが多いため、上限規定の適用を見落とさないよう注意が必要です。
参考文献
- 危険物の規制に関する政令 | e-Gov法令検索(第12条第1項第4号)