屋内貯蔵タンクの通気管の基準を整理する
危険物の規制に関する規則第20条に基づき、屋内貯蔵タンク(圧力タンク以外)に設ける通気管の位置・構造の基準を整理します。
通気管の基準は、屋外タンク貯蔵所と屋内タンク貯蔵所で共通する項目と、屋内タンクだけに追加される項目が組み合わさっています。今回は5つの記述から誤っているものを選ぶ設問を題材に、屋内貯蔵タンクの通気管の基準を整理します。
例題
第4類危険物の屋内貯蔵タンクのうち、圧力タンク以外のタンクに設ける通気管の構造として、誤っているものはどれか。
- 先端は、地上より2m以上の高さとしなければならない。
- 先端は、水平より下に45°以上曲げ、雨水の浸水を防ぐ構造としなければならない。
- 直径は30mm以上でなければならない。
- 先端は、建築物の窓・出入り口等の開口部から1m以上離さなければならない。
- 原則として、細目の銅網等により、引火防止装置を設けなければならない。
正解は (1) です。正しくは地上4m以上の高さとしなければなりません。
根拠条文
第4類危険物の屋内貯蔵タンク(圧力タンク以外)に設ける通気管の基準は、危険物の規制に関する規則第20条第2項に定められています。
第四類の危険物の屋内貯蔵タンクのうち圧力タンク以外のタンクに設ける通気管は、無弁通気管とし、その位置及び構造は、次のとおりとする。
一 先端は、屋外にあつて地上4メートル以上の高さとし、かつ、建築物の窓、出入口等の開口部から1メートル以上離すものとするほか、引火点が40度未満の危険物のタンクに設ける通気管にあつては敷地境界線から1.5メートル以上離すこと。
二 通気管は、滞油するおそれがある屈曲をさせないこと。
三 前項第一号の基準に適合するものであること。
そして、この「前項第一号の基準」(屋外貯蔵タンクの無弁通気管の構造基準)は次のとおりです。
イ 直径は、30ミリメートル以上であること。
ロ 先端は、水平より下に45度以上曲げ、雨水の浸入を防ぐ構造とすること。
ハ 細目の銅網等による引火防止装置を設けること。ただし、高引火点危険物のみを100度未満の温度で貯蔵し、又は取り扱うタンクに設ける通気管にあつては、この限りでない。
各選択肢の検討
| 選択肢 | 内容 | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 先端は、地上より2m以上の高さとしなければならない | ✕ 誤り。正しくは地上4m以上 |
| (2) | 先端は、水平より下に45°以上曲げ、雨水の浸水を防ぐ構造としなければならない | ○ 正しい |
| (3) | 直径は30mm以上でなければならない | ○ 正しい |
| (4) | 先端は、建築物の窓・出入り口等の開口部から1m以上離さなければならない | ○ 正しい |
| (5) | 原則として、細目の銅網等により、引火防止装置を設けなければならない | ○ 正しい(高引火点危険物を100℃未満で貯蔵する場合は例外) |
なぜ(1)が誤りか
通気管の先端の高さは、可燃性蒸気が地表付近に滞留して着火することを防ぐために定められています。屋内貯蔵タンクの通気管は、タンク専用室の屋外に突き出す形で設置されるため、屋外タンク貯蔵所の場合と同様に地上4メートル以上という高さが要求されます。「2m以上」という数値は、この基準の半分程度に切り下げられており、誤りです。
屋内貯蔵タンクの通気管の基準まとめ
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 先端の高さ | 屋外にあって地上4m以上 |
| 開口部からの距離 | 建築物の窓・出入口等の開口部から1m以上 |
| 敷地境界線からの距離 | 引火点40度未満の危険物のタンクは敷地境界線から1.5m以上 |
| 屈曲 | 滞油するおそれがある屈曲をさせないこと |
| 直径 | 30mm以上 |
| 先端の向き | 水平より下に45度以上曲げ、雨水の浸入を防ぐ構造 |
| 引火防止装置 | 細目の銅網等を設置(高引火点危険物を100℃未満で貯蔵する場合を除く) |
まとめ
屋内貯蔵タンク(圧力タンク以外)の通気管は、位置に関する基準(地上4m以上、開口部から1m以上等)を規則第20条第2項が独自に定め、構造に関する基準(直径30mm以上、45度以上の曲げ、引火防止装置)は屋外タンク貯蔵所の無弁通気管の基準を準用するという2段構えになっています。
参考文献
- 危険物の規制に関する規則 | e-Gov法令検索(第20条)