法令

給油取扱所に設置できる建築物の用途を整理する

危険物の規制に関する政令第17条・規則第25条の4に基づき、給油取扱所に併設できる飲食店・店舗・展示場の根拠と、塀の高さ・給油時の遵守事項を整理します。

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給油取扱所には、給油業務に直接関係のない建築物は原則として設けられません。今回は5つの記述から誤っているものを選ぶ設問を題材に、給油取扱所に設置できる建築物の用途を整理します。

例題

次の給油取扱所の説明について、誤っているものはどれか。

  1. 給油等のために給油取扱所に出入りする者を対象とした飲食店を設置することはできない。
  2. 給油等のために給油取扱所に出入りする者を対象とした展示場を設置することはできる。
  3. 周囲には、自動車等の出入りする側を除き、高さ2m以上の耐火構造または不燃材料の塀または壁を設ける。
  4. 給油する時は、自動車等のエンジンを停止させること。
  5. 給油する時は、給油空地から自動車等をはみ出さないこと。

正解は (1) です。実際には、こうした飲食店は設置することができます。

根拠条文

給油取扱所に設けられる建築物の用途は、危険物の規制に関する政令第17条第1項第16号が原則を定め、総務省令(危険物の規制に関する規則)に用途の一覧を委任しています。

給油取扱所には、給油その他の業務のための建築物(避難又は防火上支障がないと認められる総務省令で定める用途に供するものに限る。)以外の建築物その他の工作物を設けないこと。(政令第17条第1項第16号)

この「総務省令で定める用途」は、危険物の規制に関する規則第25条の4第1項が定めており、その第6号で消防法施行令別表第一の一部の用途を援用しています。

消防法施行令別表第一(一)項、(三)項、(四)項、(八)項、(十一)項から(十三)項イまで、(十四)項及び(十五)項に掲げる防火対象物の用途(前各号に掲げるものを除く。)(規則第25条の4第1項第6号)

そして消防法施行令別表第一を見ると、(三)項ロが「飲食店」、(四)項が「百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗又は展示場」と定められています。つまり飲食店・店舗・展示場はいずれも、給油取扱所に設けることができる建築物の用途として明文で認められています(ただし係員以外の者が出入りする部分の床面積合計は300平方メートル以内という上限があります)。

各選択肢の検討

選択肢内容判定
(1)飲食店を設置することはできない✕ 誤り。消防法施行令別表第一(三)項の用途として設置できる
(2)展示場を設置することはできる○ 正しい。消防法施行令別表第一(四)項の用途として認められている
(3)周囲には、自動車等の出入りする側を除き、高さ2m以上の耐火構造または不燃材料の塀または壁を設ける○ 正しい(政令第17条第1項第19号)
(4)給油する時は、自動車等のエンジンを停止させること○ 正しい(政令第27条第6項第1号ロ。「原動機を停止させる」と規定)
(5)給油する時は、給油空地から自動車等をはみ出さないこと○ 正しい(政令第27条第6項第1号ハ)

なぜ(1)が誤りか

給油取扱所は危険物を大量に取り扱う施設ですが、来所者の利便性のために、コンビニエンスストア・軽食スタンドのような飲食店や、自動車用品などの展示場を併設することが法令上想定されています。政令が用途を「総務省令で定めるもの」に限定しているのは無制限に何でも建てられるという意味ではなく、あらかじめ列挙された特定の用途(給油等の作業場、事務所、点検・整備場、洗浄場、居住用住居、そして別表第一(三)(四)項などの店舗・飲食店・展示場)に限り認めるという趣旨です。したがって「飲食店は設置できない」と断定する(1)は誤りです。

給油取扱所に設置できる建築物の用途一覧

危険物の規制に関する規則第25条の4第1項が定める、給油取扱所に設置できる建築物の主な用途をまとめると次のとおりです。

用途根拠
給油・灯油/軽油の詰替えのための作業場規則第25条の4第1項第1号
給油取扱所の業務を行うための事務所規則第25条の4第1項第2号
自動車等の点検・整備を行う作業場規則第25条の4第1項第3号
自動車等の洗浄を行う作業場規則第25条の4第1項第4号
所有者・管理者・占有者が居住する住居、関連する他の給油取扱所の事務所規則第25条の4第1項第5号
飲食店、店舗・展示場、劇場・映画館・公会堂、図書館・博物館・美術館等、神社・寺院・教会、工場・作業場、自動車車庫・駐車場、倉庫など規則第25条の4第1項第6号(消防法施行令別表第一(一)(三)(四)(八)(十一)~(十三)イ(十四)(十五)項)

このうち第6号の用途(飲食店・店舗・展示場等)は、係員以外の者が出入りする部分の床面積の合計が300平方メートルを超えてはならないという上限が付いています。

まとめ

給油取扱所に設置できる建築物の用途は、政令第17条第1項第16号が総務省令に委任し、規則第25条の4がその一覧を具体的に定めています。事務所・点検整備場・洗浄場に加えて、消防法施行令別表第一(三)項の飲食店や(四)項の店舗・展示場も対象に含まれる点がポイントです。「◯◯は設置できない」という断定的な記述を見たら、それが列挙された許容用途に含まれていないか確認する癖をつけましょう。

参考文献