警報設備の種類と設置基準を整理する
危険物の規制に関する政令第21条・規則第37条・第38条に基づき、警報設備の種類と自動火災報知設備が必要な施設を整理します。
今回は5つの記述から誤っているものを選ぶ設問を題材に、警報設備の基準を整理します。
例題
警報設備について、誤っているものはどれか
- 指定数量の倍数が10以上の危険物を貯蔵・取り扱いを行う製造所等(移動タンク貯蔵所以外)は警報設備を設置しなければならない
- 屋内給油取り扱い以外の給油取扱所には、自動火災報知器設備を設置しなければならない
- 拡声装置、警鐘、非常ベル装置は、警報設備に該当する
- 消防機関に報知できる電話は、警報設備である
- 自動火災報知器設備は、警報設備である
正解は (2) です。自動火災報知設備が必要なのは屋内給油取扱所(の一部)であり、それ以外の給油取扱所には設置義務がありません。
警報設備の基準まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設置対象 | 指定数量の倍数が10以上の製造所等(移動タンク貯蔵所を除く) |
| 警報設備の種類 | ①自動火災報知設備 ②消防機関に報知できる電話 ③非常ベル装置 ④拡声装置 ⑤警鐘 |
| 自動火災報知設備が必要な施設 | 規模の大きい製造所・一般取扱所・屋内貯蔵所、岩盤タンクに係る屋外タンク貯蔵所、一部の屋内タンク貯蔵所、屋内給油取扱所のうち一定の要件に該当するもの |
| それ以外の施設(指定数量の倍数10以上) | ②〜⑤のいずれか1種類以上を設置すればよい(屋内給油取扱所以外の給油取扱所を含む) |
つまり自動火災報知設備が必須なのは屋内給油取扱所(の一部)であり、通常の(屋外に設置される)給油取扱所は、他の4種類の警報設備(電話・非常ベル・拡声装置・警鐘)のうちいずれか1種類を設ければ足ります。
各選択肢の検討
| 選択肢 | 内容 | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 指定数量の倍数が10以上の危険物を貯蔵・取扱う製造所等(移動タンク貯蔵所以外)は警報設備を設置しなければならない | ○ 正しい(政令第21条、規則第36条の2) |
| (2) | 屋内給油取扱所以外の給油取扱所には、自動火災報知設備を設置しなければならない | ✕ 誤り。自動火災報知設備が必要なのは屋内給油取扱所(の一部)であり、それ以外は不要 |
| (3) | 拡声装置、警鐘、非常ベル装置は、警報設備に該当する | ○ 正しい(規則第37条第3〜5号) |
| (4) | 消防機関に報知できる電話は、警報設備である | ○ 正しい(規則第37条第2号) |
| (5) | 自動火災報知設備は、警報設備である | ○ 正しい(規則第37条第1号) |
なぜ(2)が誤りか
屋内給油取扱所は、建物内に設置される給油取扱所であり、火災が発生した場合に建物の他の部分へ延焼が広がりやすいという性質上、より迅速な検知が必要とされます。そのため、屋内給油取扱所(の一部)には特に自動火災報知設備の設置が義務付けられています。
一方、通常の屋外の給油取扱所は、開放的な空間にあるため、自動火災報知設備までは要求されず、電話や非常ベルなど他の警報設備で足りるとされています。(2)はこの対象を正反対に述べており、誤りです。
まとめ
警報設備は5種類(自動火災報知設備、消防機関に報知できる電話、非常ベル装置、拡声装置、警鐘)に区分され、原則は指定数量の倍数10以上の施設(移動タンク貯蔵所を除く)にこのうち1種類以上の設置が求められます。ただし、規模の大きい製造所・一般取扱所・屋内貯蔵所や、屋内給油取扱所の一部など、火災の発見が遅れやすい施設には、より確実な自動火災報知設備の設置が義務付けられている点がポイントです。
参考文献
- 危険物の規制に関する政令 | e-Gov法令検索(第21条)
- 危険物の規制に関する規則 | e-Gov法令検索(第36条の2、第37条、第38条)