簡易タンク貯蔵所の基準を整理する
危険物の規制に関する政令第14条に基づき、簡易タンク貯蔵所の設置基数・容量・空地の幅などの基準を整理します。
簡易タンク貯蔵所の基準には、屋外設置時と専用室内設置時とで異なる数値が定められており、混同しやすい分野です。今回は5つの記述から誤っているものを選ぶ設問を題材に、簡易タンク貯蔵所の基準を整理します。
例題
簡易タンク貯蔵所について、誤っているものはどれか
- 1つの簡易タンクの貯蔵所には、簡易タンクを3基まで設置できるが、同一品質の危険物の簡易貯蔵タンクは2基以上は設置できない
- 簡易貯蔵タンクは、容易に移動しないように、地盤面、担架等に固定すること
- 簡易貯蔵タンクの容量は、600L以下であること
- 簡易貯蔵タンクを屋外に設置する場合には、その周囲に1m以上の空地を設けること
- 簡易貯蔵タンクを専用室内に設ける場合には、タンクと専用室の壁との間に0.1m以上の間隔を保つこと
正解は (5) です。正しくは0.5m以上です。
根拠条文
簡易タンク貯蔵所の基準は、危険物の規制に関する政令第14条に定められています。
一の簡易タンク貯蔵所に設置する簡易貯蔵タンクは、その数を3以内とし、かつ、同一品質の危険物の簡易貯蔵タンクを2以上設置しないこと。(第1項第2号)
簡易貯蔵タンクは、容易に移動しないように地盤面、架台等に固定するとともに、屋外に設置する場合にあつては当該タンクの周囲に1メートル以上の幅の空地を保有し、専用室内に設置する場合にあつては当該タンクと専用室の壁との間に0.5メートル以上の間隔を保つこと。(第1項第4号)
簡易貯蔵タンクの容量は、600リットル以下であること。(第1項第5号)
条文が明確に定めているとおり、専用室内に設置する場合の壁との間隔は0.5m以上であり、屋外設置時の空地(1m以上)とは異なる数値です。
各選択肢の検討
| 選択肢 | 内容 | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 簡易タンクは3基まで設置できるが、同一品質の危険物の簡易貯蔵タンクは2基以上設置できない | ○ 正しい(政令第14条第1項第2号) |
| (2) | 簡易貯蔵タンクは、容易に移動しないように地盤面、架台等に固定すること | ○ 正しい(政令第14条第1項第4号) |
| (3) | 簡易貯蔵タンクの容量は、600L以下であること | ○ 正しい(政令第14条第1項第5号) |
| (4) | 屋外に設置する場合には、その周囲に1m以上の空地を設けること | ○ 正しい(政令第14条第1項第4号) |
| (5) | 専用室内に設ける場合には、タンクと専用室の壁との間に0.1m以上の間隔を保つこと | ✕ 誤り。正しくは0.5m以上 |
なぜ(5)が誤りか
簡易貯蔵タンクを専用室内に設置する場合の壁との間隔は、屋外設置時の空地幅(1m以上)よりは狭いものの、点検・保守作業のためのスペースを確保する必要から0.5m以上が要求されています。
同じ政令第14条第1項第4号の中に「屋外:1m以上」「専用室内:0.5m以上」という2つの異なる数値が並んでいるため、混同しないよう注意が必要です。
簡易タンク貯蔵所の基準まとめ
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 設置場所 | 原則屋外(一定の基準を満たす専用室内であれば屋内も可) |
| 設置基数 | 1施設につき3基以内。同一品質の危険物は2基以上不可 |
| 固定方法 | 地盤面、架台等に固定し、容易に移動しないようにする |
| 屋外設置時の空地 | タンク周囲に1m以上 |
| 専用室内設置時の間隔 | タンクと専用室の壁との間に0.5m以上 |
| 容量 | 600L以下 |
| タンクの構造 | 厚さ3.2mm以上の鋼板で気密に製作し、70kPaの圧力で10分間の水圧試験に耐えること |
まとめ
簡易タンク貯蔵所の基準は「3基以内・同一品質は2基まで」「容量600L以下」「屋外なら空地1m以上、専用室内なら壁との間隔0.5m以上」という数値をセットで押さえておくことがポイントです。屋外と専用室内で異なる数値(1mと0.5m)を入れ替えたり、極端に小さい数値にすり替えたりするひっかけに注意しましょう。
参考文献
- 危険物の規制に関する政令 | e-Gov法令検索(第14条)