法令

移動貯蔵タンクから容器への詰め替え要件を整理する

危険物の規制に関する政令第27条・規則第40条の5の2に基づき、移動貯蔵タンクから容器へ危険物を詰め替えることができる要件を整理します。

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移動貯蔵タンクから容器への詰め替えは原則禁止されていますが、一定の要件を満たせば例外的に認められています。今回は5つの記述から誤っているものを選ぶ設問を題材に、その要件を整理します。

例題

移動貯蔵タンクから液体の危険物を容器に詰め替えることができる場合の要件として、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 容器は、技術上の基準で定める運搬容器でなければならない
  2. 詰め替える危険物は、引火点が40℃未満のものでなければならない
  3. 第4類の危険物に限られている。
  4. 詰め替える場合は、安全な注油に支障がない範囲の速度で注油しなければならない
  5. ノズルは、手動開閉装置を備えた注入ノズルにより行わなければならない。

正解は (2) です。正しくは引火点40℃以上の第4類危険物に限られます。

根拠条文

移動貯蔵タンクから容器への詰め替えは、原則として禁止されていますが、一定の要件を満たす場合に限り例外的に認められています。

移動貯蔵タンクから液体の危険物を容器に詰め替えないこと。ただし、総務省令で定めるところにより、総務省令で定める容器に引火点が40度以上の第四類の危険物を詰め替えるときは、この限りでない。(政令第27条第6項第4号ロ)

この規定を受けて、危険物の規制に関する規則が具体的な要件を定めています。

令第二十七条第六項第四号ロの規定による詰替えは、安全な注油に支障がない範囲の注油速度で、前条第一項に定めるノズル(手動開閉装置を備えた注入ノズル)により行わなければならない。(規則第40条の5の2第1項)

令第二十七条第六項第四号ロの総務省令で定める容器は、令第二十八条に規定する運搬容器とする。(規則第40条の5の2第2項)

各選択肢の検討

選択肢内容判定
(1)容器は、技術上の基準で定める運搬容器でなければならない○ 正しい(規則第40条の5の2第2項)
(2)詰め替える危険物は、引火点が40℃未満のものでなければならない✕ 誤り。正しくは引火点40℃以上
(3)第4類の危険物に限られている○ 正しい(政令第27条第6項第4号ロ)
(4)詰め替える場合は、安全な注油に支障がない範囲の速度で注油しなければならない○ 正しい(規則第40条の5の2第1項)
(5)ノズルは、手動開閉装置を備えた注入ノズルにより行わなければならない○ 正しい(規則第40条の5第1項を準用)

なぜ(2)が誤りか

引火点が低い(40℃未満の)危険物は、常温でも盛んに蒸気を発生させ、詰め替え作業中に静電気や周辺の火気によって引火する危険性が高くなります。そのため、移動貯蔵タンクから容器への詰め替えという、給油取扱所の固定設備を使わない簡易な作業形態が認められるのは、引火点が比較的高く、常温での引火リスクが低い危険物(40℃以上)に限定されています。灯油(引火点40℃前後)や軽油はこの条件を満たしますが、ガソリン(引火点約−40℃)のような低引火点の危険物を移動貯蔵タンクから直接容器に詰め替えることは認められません。

まとめ

移動貯蔵タンクから容器への詰め替えは、①第4類危険物であること、②引火点40℃以上であること、③運搬容器を使用すること、④手動開閉装置付きの注入ノズルを使うこと、⑤安全な注油速度で行うこと、という5つの要件をすべて満たす場合に限り認められます。

参考文献