移動タンク貯蔵所の移動貯蔵タンクの構造基準を整理する
危険物の規制に関する政令第15条第1項に基づき、移動貯蔵タンクの容量・間仕切り・配管・塗装・接地導線などの構造基準を整理します。
移動タンク貯蔵所の移動貯蔵タンクには、材質や容量、付属設備について細かな構造基準が定められています。今回は5つの記述から誤っているものを選ぶ設問を題材に、その基準を整理します。
例題
移動タンク貯蔵所の技術上の基準として、次のうち誤っているものはどれか。
貯蔵タンクの配管は、先端部に弁等を設けること
貯蔵タンクの容量は30000L以下とし、10000L以下ごとに区切る間仕切り板を設けること
貯蔵タンクには、見やすい箇所に危険物の類・品名及び最大数量を表示し、また標識を掲げること
貯蔵タンクの外面には、錆止めのための塗装を施すこと
ガソリン・ベンゼンその他静電気による災害が発生する恐れのある液体危険物の貯蔵タンクには、接地導線を設けること
正解は (2) です。
移動貯蔵タンクの構造基準まとめ
これらの基準は、危険物の規制に関する政令第15条第1項に定められています。
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 容量・間仕切り | 容量30,000L以下とし、内部に4,000L以下ごとに完全な間仕切りを設ける | 政令第15条第1項第3号 |
| 外面の塗装 | さび止めのための塗装をする | 政令第15条第1項第8号 |
| 配管 | 先端部に弁等を設ける | 政令第15条第1項第12号 |
| 接地導線 | ガソリン、ベンゼンその他静電気による災害が発生するおそれのある液体危険物のタンクには接地導線を設ける | 政令第15条第1項第14号 |
| 表示・標識 | 危険物の類・品名及び最大数量を表示する設備を見やすい箇所に設け、標識を掲げる | 政令第15条第1項第17号 |
各選択肢の検討
| 選択肢 | 内容 | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 貯蔵タンクの配管は、先端部に弁等を設けること | ○ 正しい(政令第15条第1項第12号) |
| (2) | 貯蔵タンクの容量は30000L以下とし、10000L以下ごとに区切る間仕切り板を設けること | ✕ 誤り。間仕切りは4,000L以下ごとに設ける |
| (3) | 貯蔵タンクには、見やすい箇所に危険物の類・品名及び最大数量を表示し、また標識を掲げること | ○ 正しい(政令第15条第1項第17号) |
| (4) | 貯蔵タンクの外面には、錆止めのための塗装を施すこと | ○ 正しい(政令第15条第1項第8号) |
| (5) | ガソリン・ベンゼンその他静電気による災害が発生する恐れのある液体危険物の貯蔵タンクには、接地導線を設けること | ○ 正しい(政令第15条第1項第14号) |
なぜ(2)が誤りか
政令第15条第1項第3号は、移動貯蔵タンクについて「容量を三万リットル以下とし、かつ、その内部に四千リットル以下ごとに完全な間仕切を…設けること」と定めています。(2)は容量の上限(30,000L以下)は正しく述べていますが、間仕切りの間隔を「10,000L以下ごと」としており、正しい数値(4,000L以下ごと)と異なります。
間仕切りは、走行中の急ブレーキや旋回時にタンク内部の液体が大きく揺れ動く「サーモ効果(スロッシング)」による荷崩れや車両の不安定化を防ぐために設けられるもので、区画を細かく区切るほど効果が高まります。
まとめ
移動貯蔵タンクの構造基準は、容量・間仕切り・塗装・配管・接地導線・表示といった項目ごとに数値や設置要件が細かく定められています。特に「容量30,000L以下」と「間仕切り4,000L以下ごと」は異なる数値であり、混同しないよう注意が必要です。
参考文献
- 危険物の規制に関する政令 | e-Gov法令検索(第15条第1項)