屋外タンク貯蔵所の保安距離、測定の起点はどこ?
敷地境界線・防油堤・タンクの側板。屋外タンク貯蔵所の保安距離をどこから測るのかを、図とあわせて整理します。
保安距離は「10m以上」「30m以上」という数値だけでなく、どこを起点に測るかも問われます。今回は屋外タンク貯蔵所を題材に、測定の起点を図で確認します。
例題
屋外タンク貯蔵所の保安距離について、下記のa〜fの説明が正しいものはどれか。
- aは10m以上、fは30m以上確保すること。
- aは10m以上、dは30m以上確保すること。
- cは10m以上、dは30m以上確保すること。
- bは10m以上、eは30m以上確保すること。
- cは10m以上、fは30m以上確保すること。
正解は (3) です。
図で確認する測定の起点
屋外タンク貯蔵所の周りには、内側から順に「タンクの側板」「防油堤」「敷地境界線」という3つの境界があります。住居・小学校のそれぞれに対して、この3つのどこを起点に測るかで a〜f の6パターンが描かれています。図中の位置関係を整理すると、次のとおりです。
| 記号 | 起点 | 終点 |
|---|---|---|
| a | 敷地境界線 | 住居 |
| b | 防油堤 | 住居 |
| c | 屋外タンク(側板) | 住居 |
| d | 屋外タンク(側板) | 小学校 |
| e | 防油堤 | 小学校 |
| f | 敷地境界線 | 小学校 |
保安距離の測定基準点
危険物の規制に関する政令第9条第1項第1号は、保安距離を次のように定めています。
製造所の位置は、次に掲げる建築物等から当該製造所の外壁又はこれに相当する工作物の外側までの間に、それぞれ当該建築物等について定める距離を保つこと。
屋外タンク貯蔵所にはこの規定が準用されますが、タンクには「外壁」がありません。この場合の「外壁に相当する工作物の外側」とは、タンク本体の外側面(側板)を指します。つまり保安距離は、敷地境界線でも防油堤でもなく、タンクの側板から測定します。
- ✕ 敷地境界線から測る(a・f)
- ✕ 防油堤から測る(b・e)
- ○ タンクの側板から測る(c・d)
選択肢の判定
住居は10m以上、小学校は「学校」区分なので30m以上が必要です。この数値条件と、測定の起点(タンク側板であるべきこと)の両方を満たすかを確認します。
| 選択肢 | 内容 | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | aは10m以上、fは30m以上 | 誤り(両方とも敷地境界線起点) |
| (2) | aは10m以上、dは30m以上 | 誤り(aが敷地境界線起点で不一致) |
| (3) | cは10m以上、dは30m以上 | 正しい(両方ともタンク側板起点) |
| (4) | bは10m以上、eは30m以上 | 誤り(両方とも防油堤起点) |
| (5) | cは10m以上、fは30m以上 | 誤り(fが敷地境界線起点で不一致) |
c・dはどちらもタンクの側板を起点とする正しい測定方法であり、数値も住居10m以上・小学校(学校区分)30m以上の条件に合致します。よって正解は (3) です。
まとめ: 保安距離の数値だけでなく、測定の起点にも注意しましょう。屋外タンク貯蔵所では、敷地境界線でも防油堤でもなく、タンクの側板が製造所の「外壁」に相当する基準点です。
参考文献
- 危険物の規制に関する政令 | e-Gov法令検索(第9条第1項第1号)