第4類危険物の性状を他の類と見分ける
第4類本来の性状と、他の類の性状を混ぜた選択肢を見分ける練習問題を解説します。
第4類危険物の性状を問う設問には、第4類そのものの性質だけでなく、他の類(第1類・第3類・第5類・第6類など)の性質を紛れ込ませた選択肢が登場します。今回は5つの記述から正しいものを選ぶ設問を題材に、性状を見分けるポイントを整理します。
例題
第4類の危険物の危険性として、次のうち正しいものはどれか。
- 乳白色で蒸発する引火点40℃未満のものが多い。
- 接着剤等に使われることが多く、のり状の性質で引火点が低いものが多い。
- 酸化力が強く、無機化合物のものが多い。
- 蒸気比重は1より大きく、液比重は1より小さいものが多い。
- 空気にさらすと分解する危険性が高く、衝撃などにより爆発の危険性を有するものが多い。
正解は (4) です。
各選択肢の検討
| 選択肢 | 内容 | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 乳白色で蒸発する引火点40℃未満のものが多い | ✕ 誤り。色や蒸発のしやすさは物質ごとに様々で、第4類全体に共通する性状ではない |
| (2) | 接着剤等に使われることが多く、のり状の性質で引火点が低いものが多い | ✕ 誤り。「のり状」は第4類全体の性状ではない |
| (3) | 酸化力が強く、無機化合物のものが多い | ✕ 誤り。第4類は炭素を含む有機化合物が大半で、酸化力の強さは第1類・第6類(酸化性固体・酸化性液体)の特徴 |
| (4) | 蒸気比重は1より大きく、液比重は1より小さいものが多い | ○ 正しい |
| (5) | 空気にさらすと分解する危険性が高く、衝撃などにより爆発の危険性を有するものが多い | ✕ 誤り。「分解しやすく衝撃で爆発」は第5類(自己反応性物質)の特徴 |
なぜ(4)が正しいか
第4類危険物(引火性液体)は、ガソリン・灯油・アルコール類などに代表される炭化水素を主成分とする液体です。液比重は1より小さいものが多く(水に浮く。水をかけると火災が拡大するおそれがある)、蒸気比重は1より大きいものが多い(空気より重く、低い場所に滞留しやすい)という性質が広く共通して見られます。(4)はこの性状をそのまま述べており、正しい記述です。
第4類危険物に共通する性状をまとめると、次のとおりです。
| 項目 | 一般的な性状 |
|---|---|
| 液比重 | 1より小さいものが多い(水に浮く) |
| 蒸気比重 | 1より大きいものが多い(空気より重く、低所に滞留しやすい) |
| 水への溶解性 | 溶けない(非水溶性)ものが多い |
| 静電気 | 電気の不良導体が多く、流動・注入・ろ過等により静電気が発生・蓄積しやすい |
| 着火のしやすさ | 引火しやすい(炎や火花などの点火源があると燃える) |
他の選択肢が誤りである理由
(1)(2)(3)(5)はいずれも、第4類ではない他の類、あるいは一部の個別物質だけに当てはまる特徴を、第4類全体の一般的性状であるかのように記述しています。
- (3)の「酸化力が強く、無機化合物」は、酸化性固体(第1類)・酸化性液体(第6類)の特徴です。第4類はむしろ可燃物側であり、酸化される側の性質を持ちます。
- (5)の「分解しやすく、衝撃・摩擦で爆発」は、ニトログリセリンなどの自己反応性物質(第5類)の特徴です。第4類の危険性の本質は引火であって、自己分解による爆発ではありません。
まとめ
第4類危険物に共通する性状は、液比重は1より小さい、蒸気比重は1より大きい、水に溶けにくい、静電気が発生しやすい、引火しやすいという点です。ある記述が本当に第4類全体に共通する性質か、それとも別の類や一部の物質だけの特徴かを見極めることがポイントです。