性質・消火

第4類危険物の引火点を20℃で見分ける

アセトン・軽油・重油・アニリンなど8つの物質から、引火点が常温(20℃)以上のものを見分ける方法を整理します。

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引火点が常温(20℃)を上回るかどうかは、物質ごとの数値だけでなく品名の定義からもおおよそ判定できます。今回は8つの物質のうち、引火点20℃以上のものの数を問う設問を題材に、判定のポイントを整理します。

例題

次のうち、引火点が常温(20℃)以上のものはいくつあるか。

アセトン、エチルアルコール、軽油、重油、ベンゼン、アニリン、氷酢酸、トルエン

  1. 3つ
  2. 4つ
  3. 5つ
  4. 6つ
  5. 7つ

正解は (2) です。

各物質の判定

物質引火点(目安)20℃以上か
アセトン約−20℃✕
エチルアルコール約13℃✕
軽油45℃以上○
重油60〜150℃○
ベンゼン約−11℃✕
アニリン約70℃○
氷酢酸(酢酸)約39℃○
トルエン約4℃✕

引火点が20℃以上なのは、軽油・重油・アニリン・氷酢酸の4つです。

判定のポイント

8つの物質は品名で分けると次のようになります。

  • 第一石油類(アセトン・ベンゼン・トルエン):引火点21℃未満と定義されており、いずれも20℃を下回ります。
  • アルコール類(エチルアルコール):引火点は約13℃で、こちらも20℃未満です。ただし同じアルコール類でも、n-プロピルアルコールは引火点が約23℃と20℃を超えるため、「アルコール類は必ず20℃未満」と一般化しないよう注意が必要です。
  • 第二石油類(軽油・氷酢酸):引火点21℃以上70℃未満と定義され、20℃以上を満たします。
  • 第三石油類(重油・アニリン):引火点70℃以上200℃未満と定義され、余裕をもって20℃以上です。

第4類危険物の主な物品の性状一覧

判定の際に参照した物質を含め、第4類の代表的な物品の水溶性・比重・引火点をまとめると次のとおりです。

品名物品水溶性比重引火点
特殊引火物ジエチルエーテル×約0.71約−45℃
二硫化炭素×約1.26約−30℃
アセトアルデヒド◎約0.78約−39℃
酸化プロピレン◎約0.83約−37℃
第一石油類ガソリン×約0.65〜0.75−40℃以下
ベンゼン×約0.88約−11℃
トルエン×約0.87約4℃
アセトン◎約0.79約−20℃
メチルエチルケトン×約0.80約−9℃
酢酸エチル×約0.90約−4℃
ピリジン◎約0.98約20℃
アルコール類メチルアルコール◎約0.80約11℃
エチルアルコール◎約0.80約13℃
第二石油類灯油×約0.8040〜60℃
軽油×約0.8545℃以上
クロロベンゼン×約1.11約27℃
酢酸◎約1.05約39℃
第三石油類重油×約0.90〜1.0060〜150℃
アニリン×約1.01約70℃
ニトロベンゼン×約1.20約88℃
エチレングリコール◎約1.11約111℃
グリセリン◎約1.26約199℃
第四石油類ギヤー油×約0.90200℃以上
シリンダー油×約0.95約250℃
タービン油×約0.88200〜270℃
動植物油類なたね油×約0.90250℃未満

◎:水溶性液体 ×:非水溶性液体(消防法上の指定数量の区分による)

まとめ

引火点が常温(20℃)を上回るかどうかは、実質的に「第一石油類・アルコール類(20℃未満)」か「第二石油類以降(20℃以上)」かという品名の区分にほぼ対応しています。軽油・重油・アニリン・氷酢酸の4つが該当し、正解は(2)です。