性質・消火

第4類危険物の比重を比較して見分ける

ニトロベンゼン・氷酢酸・二硫化炭素など、比重が1以上の第4類危険物だけを見分ける方法を整理します。

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第4類危険物は大半が比重1未満で水に浮きますが、一部の物質は例外的に比重が1を超え水より重くなります。今回はこの例外だけを漏れなく選ぶ設問を題材に、判定のポイントを整理します。

例題

比重が1以上のもののみを掲げた危険物の組み合わせは、次のうちどれか。

  1. ガソリン、氷酢酸、重油
  2. ガソリン、重油、二硫化炭素
  3. 氷酢酸、メチルエチルケトン、灯油
  4. ニトロベンゼン、氷酢酸、二硫化炭素
  5. ニトロベンゼン、灯油、ベンゼン、二硫化炭素

正解は (4) です。

各物質の比重

物質比重(目安)1以上か
ガソリン約0.65〜0.75✕
氷酢酸(酢酸)約1.05○
重油約0.90〜1.00✕(1未満)
二硫化炭素約1.26○
メチルエチルケトン約0.80✕
灯油約0.80✕
ニトロベンゼン約1.20○
ベンゼン約0.88✕

選択肢の判定

選択肢組み合わせ判定
(1)ガソリン、氷酢酸、重油✕ ガソリン・重油が1未満
(2)ガソリン、重油、二硫化炭素✕ ガソリン・重油が1未満
(3)氷酢酸、メチルエチルケトン、灯油✕ メチルエチルケトン・灯油が1未満
(4)ニトロベンゼン、氷酢酸、二硫化炭素○ すべて1以上
(5)ニトロベンゼン、灯油、ベンゼン、二硫化炭素✕ 灯油・ベンゼンが1未満

判定のポイント

第4類危険物は大半が比重1未満で水に浮くため、「比重1以上」という条件を満たす物質はむしろ例外的な存在です。この設問の選択肢に登場する例外はニトロベンゼン・氷酢酸(酢酸)・二硫化炭素の3つで、これらはいずれも比重が1を超え水より重いという共通点があります。この設問では、これら3つの例外だけを漏れなく集めた(4)が正解となります。

なお、比重1以上の例外は選択肢に登場した3つだけではありません。後述の一覧表にあるとおり、クロロベンゼン・アニリン・エチレングリコール・グリセリンも比重1を超える代表例です。

一方、他の選択肢はすべて、比重1未満の物質(ガソリン・重油・灯油・ベンゼン・メチルエチルケトンなど)が1つ以上混ざっているため、「1以上のもののみ」という条件を満たしません。

第4類危険物の主な物品の性状一覧

判定の際に参照した物質を含め、第4類の代表的な物品の水溶性・比重・引火点をまとめると次のとおりです。

品名物品水溶性比重引火点
特殊引火物ジエチルエーテル×約0.71約−45℃
二硫化炭素×約1.26約−30℃
アセトアルデヒド◎約0.78約−39℃
酸化プロピレン◎約0.83約−37℃
第一石油類ガソリン×約0.65〜0.75−40℃以下
ベンゼン×約0.88約−11℃
トルエン×約0.87約4℃
アセトン◎約0.79約−20℃
メチルエチルケトン×約0.80約−9℃
酢酸エチル×約0.90約−4℃
ピリジン◎約0.98約20℃
アルコール類メチルアルコール◎約0.80約11℃
エチルアルコール◎約0.80約13℃
第二石油類灯油×約0.8040〜60℃
軽油×約0.8545℃以上
クロロベンゼン×約1.11約27℃
酢酸◎約1.05約39℃
第三石油類重油×約0.90〜1.0060〜150℃
アニリン×約1.01約70℃
ニトロベンゼン×約1.20約88℃
エチレングリコール◎約1.11約111℃
グリセリン◎約1.26約199℃
第四石油類ギヤー油×約0.90200℃以上
シリンダー油×約0.95約250℃
タービン油×約0.88200〜270℃
動植物油類なたね油×約0.90250℃未満

◎:水溶性液体 ×:非水溶性液体(消防法上の指定数量の区分による) 赤字:比重1以上

まとめ

第4類危険物の比重を問う問題では、「ほとんどが1未満(水に浮く)」という原則と、「ニトロベンゼン・酢酸・二硫化炭素・クロロベンゼン・アニリン・エチレングリコール・グリセリンなどの例外は1以上(水に沈む)」という2グループを対比させて覚えておくのが有効です。特に二硫化炭素・氷酢酸・ニトロベンゼンの3つは、この種の組み合わせ問題で頻出のセットです。