性質・消火

第4類危険物と静電気の関係を整理する

第4類危険物が電気の不良導体であるために静電気が蓄積しやすいという関係と、沸点・引火点と引火危険性の関係を整理します。

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第4類危険物と静電気の関係は、「電気を通しやすいか通しにくいか」という原因と、「静電気が蓄積しやすいかどうか」という結果を逆にすると誤りになる分野です。今回は5つの記述から誤っているものを選ぶ設問を題材に、第4類危険物の性状を整理します。

例題

第4類の危険物に共通する特性として、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 第4類の危険物は、電気をよく通す良導体であり、静電気が蓄積しやすいものが多い。
  2. 蒸気比重が1より大きく、蒸気が低所に滞留する。
  3. 引火性の液体で、火気等により引火または爆発の危険がある。
  4. 液比重は1より小さく、水には溶けないものが多い。
  5. 沸点・引火点が低いほど蒸気が発生しやすく、引火の危険が大きい。

正解は (1) です。第4類危険物は一般に電気の不良導体であり、それゆえに静電気が蓄積しやすいのが正しい性質です。

各選択肢の検討

選択肢内容判定
(1)電気をよく通す良導体であり、静電気が蓄積しやすい✕ 誤り。良導体なら静電気はすぐに逃げてしまい蓄積しない。正しくは不良導体だから蓄積しやすい
(2)蒸気比重が1より大きく、蒸気が低所に滞留する○ 正しい
(3)引火性の液体で、火気等により引火または爆発の危険がある○ 正しい
(4)液比重は1より小さく、水には溶けないものが多い○ 正しい
(5)沸点・引火点が低いほど蒸気が発生しやすく、引火の危険が大きい○ 正しい

なぜ(1)が誤りか

静電気が物体に蓄積するのは、発生した電荷が逃げ場を失って留まり続けるためです。電気を通しやすい良導体であれば、発生した電荷はすぐに他の場所(大地など)へ逃げてしまい、蓄積することはありません。

第4類危険物(ガソリンなどの炭化水素を中心とする液体)は、一般に電気の不良導体です。そのため、流動・注入・ろ過などで発生した静電気が逃げ場を失い、その場に蓄積しやすくなります。(1)は「良導体だから静電気が蓄積する」としており、原因と結果の関係が完全に逆になっています。

沸点・引火点と引火危険性の関係(補足)

(5)の「沸点・引火点が低いほど蒸気が発生しやすく、引火の危険が大きい」は、第4類危険物の性状を理解するうえで重要な関係です。

  • 沸点が低い物質ほど、常温でも蒸発しやすく、可燃性蒸気を多く発生させます。
  • 引火点が低い物質ほど、わずかな蒸気濃度でも点火源があれば引火します。

ガソリン(引火点約−40℃)が常温で常に引火の危険を伴うのに対し、灯油(引火点40℃前後)が常温では比較的安全とされるのは、この関係によるものです。

まとめ

第4類危険物は「電気の不良導体であるから静電気が蓄積しやすい」という因果関係で覚える必要があります。「良導体だから静電気が蓄積する」という記述は、原因と結果が逆になった典型的な誤りです。あわせて、沸点・引火点が低い物質ほど蒸気が発生しやすく引火の危険が大きいという関係も押さえておきましょう。

参考文献