第4類危険物の貯蔵・取扱い上の注意事項を整理する
静電気対策や蒸気の性質、容器の管理方法など、第4類危険物を扱ううえでの一般的な注意事項を整理します。
第4類危険物(引火性液体)の貯蔵・取扱いには、蒸気の性質や静電気、容器の管理など、共通する注意事項がいくつもあります。今回は5つの記述から正しいものを選ぶ設問を題材に、注意事項を整理します。
例題
第4類の危険物の貯蔵または取扱い上の一般的な注意事項として、次のうち正しいものはどれか。
- 配管で送油するときは、静電気の発生を抑えるためなるべく流速を下げる。
- 容器詰め替えるときは蒸気が多量に発生するので、床に窪みをつくるなど蒸気の拡散防止を図る。
- 容器は、ふたを外し、密閉された部屋で保管する。
- 発生する蒸気はいずれも空気より軽く高所に滞留するので、天井近くに換気口を設ける。
- 蒸気の発生を防止するため、空間を残さないように容器を詰めて密栓する。
正解は (1) です。
選択肢の判定
| 選択肢 | 内容 | 判定 |
|---|---|---|
| (1) | 配管送油時は静電気抑制のため流速を下げる | ○ 正しい |
| (2) | 詰め替え時、床に窪みをつくって蒸気拡散を防止する | ✕ 窪みは蒸気を溜め込み危険 |
| (3) | 容器はふたを外し、密閉された部屋で保管する | ✕ 蒸気が室内に充満し危険 |
| (4) | 蒸気は空気より軽く高所に滞留するので天井近くに換気口 | ✕ 蒸気は空気より重く低所に滞留する |
| (5) | 蒸気発生防止のため空間を残さず容器に詰めて密栓する | ✕ 熱膨張への余裕が必要 |
配管を流れる液体は、内壁との摩擦によって静電気を発生させます。流速が速いほど摩擦が増え、静電気の発生量も大きくなるため、流速をなるべく抑えることが基本的な対策です。(1)はこの原則どおりの正しい記述です。
第4類危険物の貯蔵・取扱い上の注意事項
第4類危険物を扱ううえで一般に注意すべき事項をまとめると、次のとおりです。
| 分類 | 注意事項 | 理由 |
|---|---|---|
| 蒸気対策 | 換気口は床など低所に設ける | 第4類の蒸気は多くが空気より重く、低所に滞留するため |
| 詰め替え等は通風の良い場所で行う | 蒸気の滞留・拡散による引火を防ぐため | |
| 静電気対策 | 配管で送油するときは流速をなるべく遅くする | 流速が速いほど摩擦により静電気が発生しやすいため |
| 移送設備・容器を接地(アース)する | 発生した静電気を逃がし、蓄積を防ぐため | |
| 容器の管理 | 容器は密栓して保管する | 蒸気の漏出や異物混入、酸化を防ぐため |
| 液体を満たす際は空間(空隙)を残す | 温度上昇による液体の熱膨張に対応するため | |
| 保管場所 | 直射日光を避け、冷暗所で保管する | 温度上昇による蒸気発生量の増加や品質劣化を防ぐため |
| 火気や高温体への接近を避ける | 引火・発火の危険を減らすため |
誤りの選択肢が示す危険性
- (2) 床に窪みをつくると、空気より重い蒸気がそこに溜め込まれ、可燃範囲の濃度に達しやすくなります。正しくは、床を平坦に保ち、低所の換気を行うことです。
- (3) 容器のふたを外したまま保管すると、蒸気が室内に充満し、火気や静電気による引火・爆発の危険が高まります。容器は密栓し、保管場所は密閉ではなく通風・換気の良い場所にするのが正しい取り扱いです。
- (4) 第4類危険物の蒸気は一般に空気より重いため、低所に滞留します。換気口は天井付近ではなく、床に近い低所に設けるのが正しい対応です。
- (5) 液体は温度上昇により膨張するため、容器いっぱいに詰めて空間を残さずに密栓すると、熱膨張によって容器が破損・破裂するおそれがあります。
まとめ
第4類危険物の貯蔵・取扱いの注意事項は、「蒸気は空気より重く低所に滞留する」「静電気は流速が速いほど発生しやすい」「液体は熱膨張するため容器に空間が必要」という3つの基本原則を押さえておけば、選択肢の正誤を機械的に判定できます。