性質・消火

第4類危険物の主な物品の物性を一覧で整理する

水溶性・引火点・比重という3つの数値を軸に、第4類危険物の代表的な物品の性状を一覧にして整理します。

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第4類危険物は品名ごとの分類だけでなく、個々の物品が持つ「水溶性」「引火点」「比重」という数値を問う設問も頻出です。今回は3つの条件をすべて満たす物質を選ぶ設問を題材に、代表的な物品の物性を整理します。

例題

次に示す第4類危険物の性質のうち、A~Cの全てに該当するものはどれか。

A 水によく溶ける B 引火点は0℃以下 C 比重は1以下

  1. エチルアルコール
  2. 二硫化炭素
  3. アセトン
  4. トルエン
  5. ベンゼン

正解は (3) です。

各選択肢の判定

物質A 水溶性B 引火点C 比重判定
エチルアルコール◎約13℃約0.8✕ Bが不適合
二硫化炭素×約−30℃約1.3✕ A・Cが不適合
アセトン◎約−20℃約0.79○ すべて該当
トルエン×約4℃約0.87✕ A・Bが不適合
ベンゼン×約−11℃約0.88✕ Aが不適合

◎:よく溶ける ○:溶ける ×:溶けない

アセトンは水溶性・低引火点(−20℃)・軽い比重(0.79)という3条件をすべて満たす一方、他の4物質はいずれかの条件で外れます。特に二硫化炭素は「比重が1を超える」という第4類の中でも特異な性質を持つ点、エチルアルコール・トルエンは「引火点が0℃を超える」点、ベンゼン・トルエン・二硫化炭素は「水に溶けない」点がそれぞれの脱落理由です。

第4類危険物の主な物品の性状一覧

品名ごとの代表的な物品について、水溶性・比重・引火点をまとめると次のとおりです。

品名物品水溶性比重引火点
特殊引火物ジエチルエーテル×約0.71約−45℃
二硫化炭素×約1.26約−30℃
アセトアルデヒド◎約0.78約−39℃
酸化プロピレン◎約0.83約−37℃
第一石油類ガソリン×約0.65〜0.75−40℃以下
ベンゼン×約0.88約−11℃
トルエン×約0.87約4℃
アセトン◎約0.79約−20℃
メチルエチルケトン×約0.80約−9℃
酢酸エチル×約0.90約−4℃
ピリジン◎約0.98約20℃
アルコール類メチルアルコール◎約0.80約11℃
エチルアルコール◎約0.80約13℃
第二石油類灯油×約0.8040〜60℃
軽油×約0.8545℃以上
クロロベンゼン×約1.11約27℃
酢酸◎約1.05約39℃
第三石油類重油×約0.90〜1.0060〜150℃
アニリン×約1.01約70℃
ニトロベンゼン×約1.20約88℃
エチレングリコール◎約1.11約111℃
グリセリン◎約1.26約199℃
第四石油類ギヤー油×約0.90200℃以上
シリンダー油×約0.95約250℃
タービン油×約0.88200〜270℃
動植物油類なたね油×約0.90250℃未満

◎:水溶性液体 ×:非水溶性液体(消防法上の指定数量の区分による)

「わずかに溶ける」非水溶性液体に注意

ジエチルエーテル・酢酸エチル・メチルエチルケトンは、実際には水にいくらか溶けます。しかし消防法上の指定数量の区分では、これらはいずれも非水溶性液体として扱われます。「多少溶ける=水溶性」と早合点せず、区分は消防法上の試験方法によって決まる点に注意しましょう。

まとめ

第4類危険物の性状を比較する問題では、水溶性・引火点・比重という基本的な数値をセットで覚えておくことが重要です。多くの物品は比重1未満で水に浮きますが、二硫化炭素・クロロベンゼン・酢酸・アニリン・ニトロベンゼン・エチレングリコール・グリセリンのように比重が1を超え水より重いものも一定数あるため、「第4類=すべて水に浮く」と思い込まないよう注意しましょう。