物理・化学

消火剤として使われる物質・使われない物質を見分ける

ハロゲン化物・二酸化炭素・粉末・泡消火剤の主成分となる物質を確認しながら、消火剤として使われないものをどう見分けるかを整理します。

読了 5分 中級
  • #消火剤
  • #性質

消火剤の種類(水・泡・二酸化炭素・ハロゲン化物・粉末)を覚えるだけでなく、それぞれの主成分となる物質名を問う出題もあります。今回は5つの物質を並べて「消火剤として使われないもの」を選ぶ設問を題材に、それぞれの位置づけを整理します。

例題

次のうち、消火剤として使用されないものはどれか。

  1. 二臭化四フッ化エタン
  2. 一酸化炭素
  3. 二酸化炭素
  4. リン酸アンモニウム
  5. 硫酸アルミニウム

正解は (2) です。

各選択肢の検討

物質消火剤としての位置づけ
二臭化四フッ化エタンハロゲン化物消火剤(ハロン2402)。ハロゲン原子が燃焼の連鎖反応を抑制する(負触媒効果)
一酸化炭素消火剤ではない。可燃性・有毒なガスであり、むしろ火災時に生じる危険な物質
二酸化炭素不活性ガス(二酸化炭素)消火剤。酸素濃度を下げる窒息効果で消火する
リン酸アンモニウム粉末消火剤(りん酸塩類等)の主成分。ABC火災に適応する粉末消火器に使われる
硫酸アルミニウム化学泡消火剤の成分。炭酸水素ナトリウム水溶液と反応して二酸化炭素を発生させ、泡をつくる

(2)がなぜ消火剤として使われないか

一酸化炭素(CO)は、それ自体が可燃性で有毒なガスです。不完全燃焼によって生じる代表的な燃焼生成物であり、火災時にはむしろ危険視される物質で、火を消す性質を持ちません。

一方、他の4つはいずれも実際に消火剤として利用される物質です。

  • 二臭化四フッ化エタンはハロゲン化物消火剤で、燃焼の連鎖反応(ラジカル反応)を化学的に抑制します。
  • リン酸アンモニウムは粉末(ABC)消火器の主成分で、熱分解により燃焼を抑制する被膜をつくります。
  • 硫酸アルミニウムは化学泡消火器で炭酸水素ナトリウムと反応し、発生した二酸化炭素を含む泡で燃焼物を覆います。

まとめ

消火剤かどうかを見分けるコツは、その物質が「燃焼を抑える性質(不燃性・窒息効果・連鎖反応の抑制など)を持つか」に注目することです。一酸化炭素は可燃性・有毒なガスであり、この性質を一切持たないため消火剤には使われません。