物理・化学

熱量保存の法則で混合後の温度を求める

異なる温度の液体を混ぜたときの最終温度を、熱量保存の法則の式1本で求める手順を、例題つきで整理します。

読了 6分 中級
  • #熱量
  • #比熱
  • #計算

温度の異なる液体を混合したときの最終温度を求める計算問題は、公式さえ立てられれば機械的に解ける得点源です。今回は具体的な数値を使った例題を通じて、熱量保存の法則の使い方を整理します。

熱量保存の法則

外部と熱のやり取りがない状態で温度の異なる2つの液体を混ぜると、高温側が失った熱量 = 低温側が得た熱量 という関係が成り立ちます。これを熱量保存の法則といいます。

熱量の基本公式は次のとおりです。

Q=m×c×ΔTQ = m \times c \times \Delta T
  • QQ:熱量(J)
  • mm:質量(g)
  • cc:比熱(J/g・℃)
  • ΔT\Delta T:温度変化(℃)

例題

20℃のエチルアルコール100gと4℃の水200gとを混合した場合、混合液の温度は次のうちどれか。ただし、エチルアルコールの比熱を2.38J/g・℃、水の比熱を4.19J/g・℃とし、混合による熱の生成、熱の出入りはしないものとする。

  1. 約6.7℃
  2. 約7.5℃
  3. 約8.0℃
  4. 約8.5℃
  5. 約9.0℃

正解は (2) 約7.5℃ です。

計算の手順

混合後の温度を TT ℃とすると、

  • エチルアルコール(20℃・100g)が失う熱量:100×2.38×(20−T)100 \times 2.38 \times (20 - T)
  • 水(4℃・200g)が得る熱量:200×4.19×(T−4)200 \times 4.19 \times (T - 4)

この2つが等しくなります。

100×2.38×(20−T)=200×4.19×(T−4)100 \times 2.38 \times (20 - T) = 200 \times 4.19 \times (T - 4)

左辺・右辺の係数をまず計算します。

238×(20−T)=838×(T−4)238 \times (20 - T) = 838 \times (T - 4)

展開します。

4760−238T=838T−33524760 - 238T = 838T - 3352

TT を右辺に、定数を左辺に集めます。

4760+3352=838T+238T4760 + 3352 = 838T + 238T 8112=1076T8112 = 1076T T=81121076≈7.54 °CT = \frac{8112}{1076} \approx 7.54\,°C

小数第2位を四捨五入すると 約7.5℃ となり、(2)が正解です。

つまずきやすいポイント

  • 符号の向きを間違えないこと。 高温側は (20−T)(20-T)、低温側は (T−4)(T-4) のように、必ず「高い温度から低い方を引く」形で ΔT\Delta T を立てます。逆にすると熱量が負の値になってしまいます。
  • 分母を混同しない。 Q=mcΔTQ=mc\Delta T の3つの値(質量・比熱・温度差)を品名ごとに正しく代入することが最初の関門です。

まとめ

異なる温度の液体を混合したときの最終温度を求める問題は、「高温側が失う熱量 = 低温側が得る熱量」という熱量保存の式を1本立てるだけで解けます。比熱・質量・温度差をそれぞれ正しく代入し、方程式を整理して TT について解くという手順を機械的に繰り返せば、数値が変わっても同じように対応できます。